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顧客の真のパートナーになるために。コンサルティングに必要とされる能力を解説。

テクノロジーの普及によって、会計・税務業務においても自動化・効率化が進みつつあります。これはテクノロジーに代替されるような単純作業・表層のアドバイザリの価値は今後無くなっていくことを意味しており、士業を営むにはこれまで以上に顧問先の経営パートナーとして、事業成長を支える役回りが求められます。
経営パートナーとして価値を発揮する上で基本となるのがコンサルティングスキルです。士業としての専門的知見は基礎となるコンサルティングスキルがあってこそ輝きます。そこで本記事では士業に携わる方がコンサルタントとしてクライアント企業のパートナーになるために必要とされるスキルをご紹介します。

目次

コンサルティングとは何を指すか。

冒頭からコンサルティングスキルという言葉を使いましたが「コンサルティング」という用語は曖昧な用語と言われています。そもそも「コンサルティング」の定義とは何を指すのでしょうか。一般的には以下のように定義されています。


コンサルティング (英: consulting) とは、企業(まれに行政など公共機関)などの役員(特に経営者が多い)に解決策・方針を示し、企業の発展を助ける業務。

引用元:Wikipedia

このように「コンサルティング」は解決策・方針を示す業務です。本記事では「解決策・方針を示す」ために必要なスキルをコンサルティングスキルとして定義の上、解説していきます。

コンサルティングにおいて重要な能力とは

コンサルティング

コンサルティングには、企業の発展に向けた解決策・方針を示すための様々な能力が要求されます。なぜなら、経営は多岐にわたるリソース・業務領域における知見が必要なので、その経営を支えるパートナーにも同等またはそれ以上の知見が求められるためです。 
一方で、専門知識の一つ一つはITの場合はエンジニア、税務の場合は税理士とそれぞれ専門職が存在します。コンサルタントの価値とは専門知識を組み合わせ、クライアントを成功に導くことといえるでしょう。そこで本記事ではクライアントを成功に導くコンサルタントに求められる基本スキルを紹介していきます。 

スキル①:現状を整理する力

最も基本と言えるのが、「顧客の状況・課題を事実に基づき客観的にとらえ整理する力」です。外部パートナーとして第三者的に顧客の状況を捉えることがポイントです。
ここで重要なことは事実を捉えることです。顧客の表面上の会話や自分自身の解釈・バイアスを取り除き、整理するには一定の経験と訓練が必要になります。この現状整理が事実と乖離してしまうと、この後に続く「課題設定・仮説検証」の段階で、筋の悪い仮説を設定することにつながってしまいます。常に事実を客観的にとらえることを心掛けていきましょう。

スキル②:課題を抽出・設定する力

現状を整理した後は、課題を抽出・設定します。課題設定の際には課題の定義を理解することが重要です。一般的には課題とは以下のように定義されています。

課題とは、解決するべき問題のこと。対処が必要な事柄であり、それへの対処を任務として負わされているような問題のこと。つまり、いわゆる「問題」のうち「対処する」「解決する」といった行動に重点が置かれている問題を指し示す表現。

引用元:Weblio辞書

課題は、現状と理想のギャップを埋めるための行動をディスカッションするためのものです。議論レベルに至らない、漠然とした課題を定義しないように気を付けましょう。自分が定義した課題が適切かどうか判定するには行動をディスカッションできる状態か、ということを意識してみるといいでしょう。

スキル③:プロジェクトを推進する力

現状を事実に基づき整理し、課題を設定した後は実行フェーズを推進する力が求められます。コンサルタントと聞くと、アドバイスをして実行までは関与する必要はないとお思いの方もいらっしゃるかもしれませんがそれは誤りです。インターネットやSNSの普及に伴い、情報を提供するだけの行為の価値は年々低下しています。最近はChatGPTなどのAIに自分の悩みをコーチングしてもらう人もいるくらいです。 
そのため、事実整理・課題設定を行うだけのコンサルタントは現代においては価値が低いと言わざるを得ません。現代のコンサルタントにはテクノロジーやロボットでは代替できないスキルが要求されます。それは、プロジェクトを推進することです。クライアント企業の上層部~現場を一つにし、ひとつひとつの課題を解決に導いていく力こそが現代のコンサルタントの価値と言えます。 

スキル④:特定業界の知見

ここまではコンサルタントとしての基本的な仕事の進め方を紹介しました。ここまでの内容は、どのクライアントにも普遍的に適用可能ですが、これだけではコンサルタントが提供する価値としては不足しています。 
コンサルタントとして現状整理・課題設定・実行を担うには、顧客の業界に対して一定の知見を有することが必要です。例えば精密機器メーカーの顧客のプロジェクトに、金融業界の経験が豊富なコンサルタントが参画したとしても、精密機器業界の趨勢や業界固有の商慣習等の理解が不足していると、効果的なコンサルティングを行うのは難しいでしょう。コンサルティングを行うには、自分の得意とする業界を持つことが重要です。特定業界に強みを持つことでほかのコンサルタントとの差別化も可能です。 

スキル⑤:経営に関する知識・経験

経営に関する知識・経験もコンサルタントには求められます。特に中小企業向けのコンサルティングにおいてはクライアントが社長・役員クラスであることがほとんどだと思います。経営層と会話しながらコンサルティングをするには、以下のような知識・経験は必要と言えるでしょう。 
 
・キャッシュフローを確保する手段として有効な補助金・融資制度などの知識、資金調達経験 
・人材雇用のための就業制度設計・求人募集・税制優遇制度の利用などの実務経験 
・事業損益・キャッシュフロー予測を踏まえた投資計画の立案・実行経験

どのようにスキルを習得するべきなのか

基本となるスキルの習得について(前項のスキル①・②・③)

常に顧客視点に立ち、自発的な業務改善アイディアの立案から、プロジェクトの推進に携わる癖をつけることから始めましょう。記事内でも何度かお伝えしていますが、コンサルタントとしての価値は本や参考書で得られるような表層的な知見ではありません。顧客ひとりひとりに向き合い、その顧客だけの指針を紡ぎだすことに価値があるのです。 

そのためにはお客様や社内・周囲に対して、自分の考えを整理したうえでアウトプットする習慣を身につけるしかありません。 本や参考書でインプットした知識を、自分の経験・考えと組み合わせ、顧客視点に立脚してアウトプットすることにこそコンサルタントの価値はあるのです。このことをまずは強く意識する必要があるでしょう。 

事業・経営スキルの習得について(前項のスキル④・⑤)

専門性を付けたい業務について、当事者として業務に携わることから始めてください。資金調達系であれば調達計画~融資実行まで、人材雇用であれば求人掲載から制度設計、雇い入れまで、会社経営をする上で必要となる業務を一通り経験することが一番の近道です。特定業種の知見を深めることも同じで、現場業務に携わることが一番の近道でしょう。 
ゼロから会社を経営したり、経験を積むために転職をすることは現実的な選択ではありませんが、今の時代、副業で会社の立ち上げに携わったり、別会社の業務に携わる機会を得ることができるマッチングサービスは世の中に数多く存在します。周囲の仲間やサービスなどを活用して自分の経験を磨いてきましょう。 

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回はコンサルタントの基礎編として必要とされるスキルを解説しました。高いパートナーシップと希少価値の高い経験・知識で顧客を成功に導けるコンサルタントになれるよう、日々研鑽に励んでいきましょう。

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