新年度も始まって数カ月がたち、新入社員とコミュニケーションをとることも徐々に増えてくる時期です。この時期に新卒新入社員が感じることが一つあります。それは【会社の人が使っている用語が分からない問題】です。勿論、ビジネスや業界としての一般用語が大半を占めるのですが、調べてもわからない用語が確実に存在します。
いわゆるおじさんビジネス用語です。
このおじさんビジネス用語は見方を変えると、中堅社員と新卒社員との距離を作ってしまう要因の一つにもなりえます。
真面目に考えるとコミュニケーションコストの増加にもつながっています。使っているほうは、特に意識していなくても、テレビの街頭インタビューでは、おじさんビジネス用語の意味を問われた若者が「全然聞いたことがない」「わからない」と答えている状況です。
当たり前のようにおじさんビジネス用語を使い続けていると、若い世代の社員から距離を置かれることにもなりかねません。
そこで本記事では、若者との会話で通じないと思われる代表的なおじさんビジネス用語を取り上げていきます。普段から使っている人は、これを機会に使い方を考え直してみてはいかがでしょうか。
2.おじさんビジネス用語の例とその説明
若者との会話で通じないと思われる代表的なおじさんビジネス用語を解説していきます。対応する若者言葉も併せて解説しますので、新卒社員と会話するときには出来るだけ若者言葉に置き換えて話すようにしてみましょう。それでは始めます!
エイヤ
エイヤでいいから、数字まとめておいてもらえる?
『エイヤ』は「ザックリ作る・仮で○○してみる」という意味で使われます。自社内や業界の慣習、個人の経験・勘などをもとに、勢いでサッと生み出したもの、生み出す様子を表現することが多いです。
『エイヤ』は若者にはまず通じませんので、以下のように伝えるのがいいでしょう。
※新卒社員に対しては、具体的な指示をまず心がけるほうが良いのでそもそも「エイヤ」な依頼はしないようにしましょう。
ガッチャンコ
アレとコレをガッチャンコしといてくれる?
『ガッチャンコ』は「くっつける・合体させる・まとめて」という意味で使われます。
2つ以上のものや要素をくっつける、合体させるときに使われることが多いです。この用語は、ホッチキスを止めるときの擬音が由来と言われています。
最近では『マージする』という言い方のほうがIT系企業を中心に主流となっています。
テレコ
パワーポイントの表の中身がテレコじゃないですか?
『テレコ』は、歌舞伎で2つの筋書きを1幕おきに交互に展開することを指す言葉ですが、現在は「互いちがい」、「入れ違い」、「裏表逆」という意味で使われます。
ボタンの掛けちがいなどで使われることも多いです。様々な意味合いで使うことが出来るので、便利なのですが伝わらないので使わないほうが良いでしょう。普通に、「互いちがい」、「ずれている」、「入れ違い」、「裏表逆」と言うようにしましょう。
一丁目一番地
業務改革プロジェクトは、当社の中期経営戦略の一丁目一番地の位置づけです。
『一丁目一番地』は「最優先事項・重要課題」という意味で使われます。最初は政治を語るときの用語として使われていましたが、次第にビジネスの場でも使われるようになりました。
「最重要」で万人に伝わりますので、社長向け・役員向けのプレゼンテーションであれば使ってもいいですが、日常会話で使うのはやめたほうが良いでしょう。
全員野球
このプロジェクトは絶対に成功させたいので全員野球で行こう。
『全員野球』は野球用語のひとつです。レギュラーだけでなく補欠の控え選手も一丸となって試合や練習に取り組むことを表しています。ビジネスの場においても、チームワークを重視することを意味することが多いです。
この用語は、若者でも比較的伝わると思います。ただ、野球好きじゃない若者からすると「なぜ野球チームのノリに合わせないといけないんだ?」という気持ちを抱かれるかもしれませんので、『チームワーク』という言い方のほうが、より全員野球できるのではないでしょうか。
いってこい
「昨日は私が残業を手伝ってあげたから今日は私の残業を手伝ってください。これでいってこいですよ」
『いってこい』には「○○に行ってきなさい」という意味と、「差し引きゼロ・プラマイゼロ」の二つの意味があります。この項目で紹介する「いってこい」は後者の意味の用語です。
近しい意味を持ち、若者にも伝わる言葉に『チャラにする』があります。『チャラにする』は『帳消しにする』という意味を持つ用語で、若者だけでなく全世代に通じます。
ガラガラポン
ガラガラポンで全部なしになるのはよくあることです
『ガラガラポン』は「白紙に戻して一からやり直す」という意味です。「このまま続けても埒が明かないので仕切り直す」というニュアンスで使われることも多いです。
この用語は、抽選会場で使われるくじ引き道具が由来であると言われています。普通に「やり直し」・「白紙になった」というようにしましょう。
そば屋の出前
そんな、そば屋の出前のような返事ばかりするんじゃない
『そば屋の出前』は「その場を取り繕うための方便・虚偽返答」という意味です。作業が遅れていても「今、取り掛かっていますので間に合います」とごまかすことが該当します。
この用語は、そば屋が客からの出前の催促に対して「今、お届けに伺うところです」とごまかしていた事例から来ているようです。
若者言葉に置き換えると、『ノキ男(オ)』が近いと考えられます。「ピノキオ+男」が由来となっており、恋愛などで嘘をつきごまかす男性によく使われます。
何個当てはまる?おじさん度診断
おじさんビジネス用語はその他にも多く存在します。ここでおじさん度診断と題しチェックリストをペライチの叩きレベルでご用意しました。普段使っている用語を数えてみてください。
- エイヤ
- ガッチャンコ
- 一丁目一番地
- いってこい
- ガラガラポン
- 蕎麦屋の出前
- よしなに
- 鉛筆なめなめ
- ポンチ絵
- ロハ
- ツーカー
- ざっくばらん
- ダマで
- ペライチ
- アゴアシ
- ケツカッチン
【判定結果】
0個
若者すぎ。もう少し勉強したほうが取引先や上司とざっくばらんな関係が築けるかも。
1個以上3個未満
普通です。
4個以上7個未満
おじさん文化に染まりつつあります。よしなに改善しましょう。
7個以上
おじさん確定。勿論このチェック表もエイヤで作ってますからご参考までに。
あなたはいくつ当てはまりましたか?
まとめ
おじさんビジネス用語について本記事では紹介させていただきました。おじさんビジネス用語自体は悪いものでは全くありません。昭和~平成期のサラリーマン同士の関係をつないだ文化と言えるものです。
従って、おじさん同士、またはおじさん向けに会話する際にはこれらの用語をうまく使えば、関係が深まると思います。
一方で新卒社員を相手にする際は、やはり注意が必要です。明らかに現代の若者には伝わらない用語も多いので、使用を控えるのが無難です。
もし、どうしても使いたいときは、本記事で紹介したおじさんビジネス用語に近い意味を持つ用語を使うことをおすすめします。
コミュニケーションは一方通行ではなく、双方向でなりたつもの。相手の立場・文化に配慮してコミュニケーションをとることが大事なのではないでしょうか。