「取引先が話した用語の意味がわからない」「カタカナの用語を聞いたけど、これってどういう意味?」このようにビジネスマン用語の意味がわからず困った経験はありませんか?
ビジネスマン用語の意味や使い方を身につけると、取引先との会話や会社内でのコミュニケーションの場面で役立ちます。この記事では、2024年のビジネスマンが押さえておきたいビジネスマン用語を8つに厳選して解説するので、ぜひ参考にしてください。
2024年のビジネスマンが押さえおきたい用語集8選
2024年にビジネスマンが押さえておきたい用語がこちらです。
- 2024年問題
- オーバーツーリズム
- インクルーシブ
- 生成AI
- サステナビリティ変革
- メタバース
- リスキリング
- データドリブン
それぞれの意味や重要性、使用される業界などを確認していきましょう。
2024年問題
2024年問題とは、働き方改革関連法により、ドライバーの年間時間外労働時間に上限(休日を除き年間960時間)が設けられることで発生する問題のことです。2024年問題は、物流・運送業界と深い関わりのあるビジネスマン用語です。
2024年問題で懸念される項目をみてみましょう。
- ドライバー1人あたりの輸送量の低下
- 地方部における供給力不足
- 物流・運送業界の売上減少
- ドライバーの収入減少
働き方改革関連法により年間時間外労働時間に上限が設けられると、ドライバーの拘束時間が減少します。拘束時間の減少は、ドライバーの輸送量低下につながるため、事業所側は長距離輸送が困難になるのです。結果的に、地方部の供給量が不足して業界全体の売上が減少する可能性もあります。
同時に、ドライバーの収入が減少するおそれもあります。時間外労働の上限設定により、以前に受け取っていた残業代が減少する可能性があるからです。
なお、働き方改革関連法の施行は、2024年4月1日からです。この日以降、企業側は年間960時間(1ヶ月あたりの目安は約80時間)を超えないように、ドライバーの拘束時間を管理しなくてはいけません。
2024年問題には、ドライバーにとってホワイトな面がある一方、物流・運送業界にとってさまざまな懸念があります。
オーバーツーリズム
オーバーツーリズムとは、観光地に集中して観光客が訪れることで、自然環境の悪化や地域住民の生活に悪影響をおよぼす状況を指します。日本では「観光公害」とも呼ばれます。
オーバーツーリズムの具体例がこちらです。
- 観光客増加による交通渋滞や交通機関の混雑
- ゴミのポイ捨てや騒音問題
- 観光客と地域住民とのトラブル
- 旅行者の満足度低下
こうしたオーバーツーリズムの現状を踏まえ、観光庁は、「オーバーツーリズムの未然防止・抑制に向けた対策パッケージ」をとりまとめました。また、「オーバーツーリズムの未然防止・抑制に向けた相談窓口」を観光庁に設置するなど、旅行しやすい環境の整備に取り組んでいます。
参考:国土交通省 観光庁|オーバーツーリズムの未然防止・抑制に向けた取組
インクルーシブ
インクルーシブは、「包み込むような」「包括的な」という意味をもつ単語です。主に教育分野や社会活動の分野で使用されています。
例えば、障害の有無や人種などに関わりなく、お互いの尊厳を尊重し合う社会はインクルーシブ社会と呼ばれます。また、経済状況や性別の違いなどに関わらず全ての子どもが同じ環境で学ぶ教育をインクルーシブ教育と呼びます。
インクルーシブの反対語は、「排他的、排除的」を意味するイクスクルーシブです。そのため、「他者を排除しない」「誰にも価値がある」といった考え方もインクルーシブに該当します。
生成AI
生成AIとは、文章、画像、音楽などのコンテンツを自動で生成するAIのことです。生成AIが生成するコンテンツとサービス例を表で確認しましょう。
生成するコンテンツ | サービス例 |
文章、会話 | ChatGPT、Bing AI |
画像 | Canva、MyEdit |
音楽、音声 | VoxBox |
動画 | Phenaki、FlexClip、KaiBar |
生成AIと従来のAIの大きな違いは、新しいコンテンツを生み出せる点です。従来のAIは、学習したデータをもとに結果を推測したり、データを判別・分類したりすることが主な機能です。一方の生成AIは、学習したデータをもとに、新しいコンテンツを生み出せます。
例えば、文章を作成するAIであれば、既存の文章データを学習したうえで、人間の指示にあわせた新しい文章を自動生成してくれます。こうした特性を生かせば、ビジネス資料の作成やカスタマーサポート業務を効率化することも可能です。
生成AIはさまざまなビジネスシーンでの活躍を期待されています。
サステナビリティ変革
サステナビリティとは、経済や環境、社会などに配慮して活動することで、現在の社会機能を継続していくという概念です。持続可能性と言い換えられます。
サステナビリティを企業活動にあてはめたものが、サステナビリティ変革です。
1つの企業だけが持続可能な経営を行うのではなく、社会全体の持続可能性を両立できるような経営に取り組むことがサステナビリティ変革です。サステナビリティ・トランスフォーメーション(SX)あるいはサステナビリティ経営と呼ばれることもあります。
例えば、トヨタ自動車株式会社は、プリウスなどのハイブリッド車の開発・販売によって、自動車を必要とする人や企業の役に立ちながら、自動車が排出するCO2の削減に取り組んでいます。
反対に、短期的な利益を追及して環境や社会への影響を配慮しない企業活動は、サステナビリティ変革とはいえません。
メタバース
メタバースとは、インターネット上に構築された仮想空間を意味します。メタバースを利用すると、自身のアバター※1を通じて、現実世界と同じように他者とコミュニケーションをとれます。
ビジネス分野にメタバースを活用した事例が、バーチャルオフィスやバーチャルショップです。
インターネット上に、オフィスやショッピングモールなどの仮想空間を構築することで、他者との交流や買い物が可能になります。
メタバースはインターネット上に存在するため、利用にはインターネットに接続できる環境が必須となります。また、ヘッドセットやARグラス※2などの専用ツールを用意すると、現実世界にCGが存在しているような感覚を味わえるでしょう。
※1 自分の代わりになるキャラクターやアイコンのこと
※2 メガネのように装着する機器。レンズの裏側に映像を映すディスプレイが搭載されている
リスキリング
リスキリング(re-skilling)とは、直訳すると「スキルの再習得」和訳すると「学び直し」を意味する言葉ですが、ビジネスシーンでは、「業務上で必要なスキルや知識を学ぶこと」を意味するのでご注意ください。
リスキリングをビジネスシーンにあてはめてみましょう。
生産性向上や人手不足に対応するために、企業上層部がIT機器やシステムを現場に導入したと仮定します。すると、現場で働く従業員は、IT機器やシステムを使いこなせるように、場合によっては新たな知識・スキルを学ぶ必要がでてきます。このような取り組みが、リスキリングです。
2023年8月に岸田文雄首相が、個人のリスキリング支援に5年間で1兆円を投じる方針を政府の方針として示しました。そのため、今後もリスキリングを推奨したり導入したりする企業が増えていくと予想されます。
データドリブン
データドリブンとは、行動や方針をデータに基づいて行うという考え方や手法のことです。データドリブンの「ドリブン」には、「〇〇に基づいた」「〇〇を起点に」という意味があります。
データドリブンを活用すると、マーケティングデータやWeb解析データといった企業が収集したデータを活用して、経験や勘だけに頼らない意思決定が可能になります。特定の働き手に依存する「属人化」を避けて、再現性の高い取り組みも可能になるのです
データドリブンを活用した経営は「データドリブン経営」と呼ばれ、企業規模や業界を問わず、さまざまな企業に導入できます。
ビジネスマン用語を使用するときの注意点
ビジネスマン用語を上手に使うと、取引先に「よく勉強している」と評価されたり同僚とスムーズにコミュニケーションできたりとプラスの効果を期待できます。
しかし、必要以上にビジネスマン用語を乱用すると、相手に不快感をあたえるおそれがあるので注意しましょう。
相手に不快感をあたえてしまう使用例がこちらです。
- 一般的ではない用語を何度も使用する
- ビジネスマン用語を使って自分を偉くみせようとする
- 用語を知らない人を馬鹿にする
ビジネスマン用語は、お互いのために上手に使用するもの。使い方を誤ると、かえって相手との関係悪化につながるため、使用方法に注意しましょう。
まとめ
この記事では、2023年以前のトレンドや2024年以降の社会状況などを参考に、厳選したビジネスマン用語を紹介しました。用語の意味や使い方、使用される業界などを身につければ、2024年のビジネスシーンでお役に立ちます。
ビジネスマン用語を身につけると、会話の内容を飲み込みやすくなるため、コミュニケーションがスムーズに進みます。会話の内容や相手の様子に意識を向けられるほか、自己表現がやりやすくなります。
日々の仕事で忙しく時間的余裕も少ないとは思いますが、通勤途中や早朝などの「すき間時間」を上手に活用してビジネスマン用語を身につけてみてください。