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現役税理士が語る、税理士としての開業ストーリ― ~独立開業を成功させるには~

税理士試験に合格し、社員税理士として業務を行う中で「いつかは独立」と考えている方も多いでしょう。税理士として独立開業することは、自分自身でビジネスを立ち上げ、自らそれを成長させるという魅力的な選択肢の一つです。しかし、成功するためには、多くの努力と準備が必要です。


本記事では現役税理士税理士法人イレブンナインの吉田 武志 代表の実際に独立開業した経験から成功のために重要なポイントをいくつか紹介します。

独立開業を考えている方や、将来的に独立開業を目指している方は、ぜひ参考にしてください。

目次

紹介

税理士法人イレブンナインとして現在どのようなサービスを提供されているのか、特徴なども含めてご紹介いただけますか。

税理士法人イレブンナインの代表を務めています。

サービス内容としては幅広く、という言葉があっているかなと思うのですが、企業向けには税務アドバイザリや申告書作成、個人の方には確定申告と幅広く支援しています。なので、お客さまも大手企業から中小企業、個人事業主まで幅広いですね。

特徴としては私自身が大手会計事務所の出身で、一般的な中小税理士事務所が苦手としているような難易度の高い案件についても比較的安価に対応できるという点がポイントかなと思います。

BR編集部

独立にあたっては他社との差別化が重要になる
自分の過去の経験や、顧客のニーズを踏まえた上で、選ばれるためのサービス設計が必要と言えますね。

税理士法人イレブンナインについては以下からご覧いただけます。

税理士法人イレブンナイン
税理士法人イレブンナイン 税理士法人イレブンナイン(Eleven Nines Tax Corporation)は常に未来を切り拓くためのパートナーとして、クオリティの高いサービスで誠実に対応致します。

独立に至るまでの準備は何が必要か?

独立するまで、どのようなキャリアを築かれたのか教えていただけますか?

大学を中退後、会計事務所でアルバイトとして入社する形で税理士業界に携わり始めました。

その税理士事務所でアルバイトとして2年、社員として3年間勤めた後、KPMG税理士法人に転職し、税理士として経験を積んで独立したというキャリアですね。

税理士事務所に入社されてから10年ほどで独立されているとのことですが、もともと独立は視野に入れていたのですか?

そうですね。税理士事務所に入社した時点で独立することは決意していました。

税理士=独立というイメージが自分の中にあったのでそのイメージのまま、独立に向けて準備していきました。もともと数字を扱うことが好きだったのと、クライアントに対して密接に事業に係ることが出来るという点で税理士を選びました。

当初から独立を目指して、税理士事務所で働かれたのですね。社員として働くころから周到に準備など進められたのですか?

自分の上司やパートナーの仕事の進め方はしっかり見ていたかなと思います。

自分に足りないことや、足りないことを埋めるために何が必要か、ということは結構常に考えて、改善するようにしていました。

あとは人付き合いは大事にしていました。先輩の税理士やほかの始業の方々との交流は心がけていました。

BR編集部

会社員時代に築いた関係や経験は、独立後にも活かされることが多い。

独立したい人も、まずは「今の業務で何を学ぶことができるか」ということを常に考えながら仕事をすることが重要だということが、この言葉から学べますね。

実際に独立を決断したのは、どのようなきっかけがあったのですか。

まず、独立はKPMGを退職する10カ月前に決断しました。上司やパートナーの仕事の進め方や知識がなんとなく理解できた気がしたから、という理由が大きいですね。

同じレベルまで到達したというわけでは無かったですが、おおよその仕事の全体観がつかめていたので「いずれ独立するのであれば、いま独立してもいいんじゃないか」という気持ちになりました。

独立してからも、会社員時代にクライアントに対してコミットしてきた経験というか、興味のある仕事に対して全力で取り組んだことが活かされているという実感はありますね。

独立後 ~会社員と事業主との違い~

独立前後で変わったことはありますか?

正直そこまで変わらないのですが強いて言えば、良くも悪くも会社員時代よりも担当する業務の範囲が広がりました。

本来、社労士や司法書士が担当する内容の質問に対して回答を求められることもありますし、大手会計事務所では行わないような細かい周辺業務まで担当することが増えました。

結果として知識を幅広く習得しなければいけないという点は、独立前後で変わったポイントかもしれません。

働き方といった面ではどうでしょうか?

業務時間には当然変化がありました。会社員時代は当然、就業時間が決められていますので一定の時間は働かないといけないんですけどそういった制約がなくなって自由な時間で働けるようになりました。

今は子供がいるので子供の送り迎えをして出社しているのは10時30分だったりします。

その一方で、創業時は従業員もいない状況なのですべて自分自身で仕事をさばかなくてはいけないこともあり、当時の業務量自体の負荷は高かったという印象があります。

当然、独立する以上は責任もすべて自分にのしかかるので労働時間の縛りは無くなったものの、その分責任は重くなったという印象があります。

BR編集部

自由な働き方ができるようになった反面、当然その選択には責任が生じ、責任を感じることが増えたということですね。

その他にも変化はありましたか?

やる仕事、やらない仕事を切り分けを行うようになったのは大きな違いかと思います。

基準は自分の中では色々とあるんですけど、自分のマインドを下げるような、目先だけを追求したような仕事はなるべくやらないようにはしています。

ちなみに収入面はいかがでしょうか?言いづらければNGでも大丈夫です。

会社員時代よりは上がっている、という回答になります。ただ収入を上げる方法は独立以外にも色々あると思いますので、独立の魅力は収入アップがメインではない気がします。

自分の性格的に人を増やして売上・利益を追求する事業拡大路線は目指していないので。あくまで自分の目が届く範囲でクライアントに満足いただけるサービスを提供できる規模で、事業を継続していきたいという想いがあります。

あと、大手会計事務所は組織が大きい分だけ事業関係者が多いと思うので、独立すると良くも悪くもそういったストレスなく仕事に専念できる側面はあると思います。

BR編集部

独立=収入を上げるというイメージを持つ人も多いかもしれませんが、
自由度が高まったという言葉が吉田代表からはよく聞かれました。

自分自身の裁量で事業を進められる結果として、収入か働きやすさを選択できるというものまた独立のメリットなのかもしれません。

独立を失敗させないためには?成功のノウハウを苦労から知る

独立後に大変なことはどのようなことがありますか?

ぱっと思いつくのは人的リソースの管理ですね。仕事が増えてくると人を採用しないといけない。

会社に所属していれば会社のブランドやノウハウで人を採用してくれるのですが、独立するとそう簡単にはいきません。正直なところ、まったく知らない人を採用するのはミスマッチを考えると怖いです。

実際、うちの会社は基本的に知り合い経由の採用がメインです。

営業面ではあまり苦労していないといった状況でしょうか?

当社は基本的には、お客様及び知人からの紹介がメインでお仕事を頂いている状況です。それは先ほどお伝えしたお客様に全力でコミットする姿勢・サービスの質に満足頂いてのことだと思っています。

ただ、今の状況が10年後、20年後も続いているとは思えないという漠然とした不安感はありますね。組織をより良くしていくためには常に仕事を増やし続けたり、様々な変化に対応しないといけないというプレッシャーを感じることはあります。

BR編集部

既存の取引先からの紹介でお仕事が増えてくるというのは理想的な事業の拡大の仕方ですね。

何か特有の苦労だったりはあったりするのですか?断ることもあるのかと思いますが。

基本的には仕事は断らないというスタンスではいます。勿論、内容によっては当社だけで対応できないケースもあるのでその際は知り合いを紹介することもありますが。

苦労としては紹介いただいた場合は仕事を断りづらいというのは言えるかもしれません。(笑)

BR編集部

紹介が多い方、特有の悩みですね。(笑)

独立を考えている方へのメッセージ

独立に向いている人、向いていない人の特徴をそれぞれ挙げてもらえますか?

責任感やリスクを楽しめるかどうか、という点が一番大きいのではないかと思います。

楽しめる方は独立してもいいと思うし、逆に責任感やリスクで体調が悪くなる人はやめておいた方がいいかもしれません。

スキルというよりはこのマインドの部分が大きいとは思います。

ありがとうございます。それでは最後にこの記事を読んでいただいている独立を志す税理士の方にメッセージをお願いできますでしょうか。

独立は、正直大変なことも多いです。ただ、自分自身の力で事業を築き上げていく達成感というか喜びは会社員では感じられないものかなと思います。

なので、やりたいと思う人はやったほうがいいんじゃないかなと私は考えています。やらない後悔のほうがつらいんじゃないかなと。

是非チャレンジしてほしいなと思います!

まとめ

いかがでしたでしょうか。税理士として長年にわたり、多くのお客様の税務や会計の支援をしてきた経験を持つ吉田代表のインタビューから独立開業に関する生の声をお届けしました。

独立開業は自身の裁量で事業を進められる点は非常に魅力的ですがその反面、責任が増えます。
そのため、自身の考えに一貫性を持ち、強い信念や覚悟が必要になりそうです。

独立開業を検討している方、将来的に独立開業を目指している方は、ぜひ参考にしてください。

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この記事を書いた人

2005年に会計税務の業界に入り、2011年まで藤間公認会計士税理士事務所(現:TOMA税理士法人)にてオーナー企業を中心として、オーナー企業特有の経営・税務・節税アドバイスに従事。
2011年10月からは、KPMG税理士法人のトランザクション・アドバイザリー・グループにて、M&A税務・事業承継・不動産税務・連結納税・国際税務など、規模が大きく専門性の高い業務にマネージャーとして多数関与。
2016年に自身を代表とするファースト・イノベーションズ会計事務所を設立し、2021年12月には税理士法人イレブンナインを設立。
多種多様な課題に対して常にお客様の期待値を超えるアドバイスを目指し、上場会社、中小企業、スタートアップ、富裕層など多様な層のクライアントに対して専門性の高い税務会計サービスを提供している。

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